これまで所属していた高知大学医学部附属病院薬剤部にて行ってきた、予防医学に寄与できる薬物の開発あるいは探索を、高知大学医学部との連携協定を活用しながら、目指しています。
また、医療の現場における題材を対象とする研究を中心にテーマを探索し、問題解決能力を備えかつ臨床研究が行えるような、論文を読む・書く習慣、研究するマインドを持った薬剤師を育てたいと考えています。
さらに、日本は急速な少子高齢化の進行の真っ直中にあり、薬剤師がこの超高齢化社会に対しどのような取り組みができるのか ― 例えば、在宅医療における薬局の立場、へき地医療における薬局・薬剤師の役割など ― を考えています。
具体的な内容は以下の通りです。
- 徳島県糖尿病対策に関する研究
前教室担当中田素生先生（現：(株)スギヤマ薬品）の「糖尿病診断アクセス革命！徳島」（筑波大学医学医療系内分泌代謝・糖尿病内科との共同研究）を一部継承しながら、徳島県における糖尿病死亡率14年間連続全国ワースト1位の原因分析の調査を行っています。
- 飲み残し薬に関する調査・研究
高知県、高知県薬剤師会と連携し「患者の飲み残し薬調査事業」に取り組んでいます。この事業は、患者の飲み残し薬調査を実施し、無駄な薬剤費の検証を行うとともに飲み残し薬の傾向の分析と原因別の支援方法を取りまとめ、医療関係職種へ提供するものであります。高知県における、健康づくりと適切な薬物療法の推進に協力しています。
- 在宅医療・介護に関する研究
在宅医療・介護の現場における問題点の収集を、連携薬局等にて行い、指摘された問題点について薬学的に検討を行っていく予定で、現在は分包品の開封のし易さについての検討を計画しています。
- 酸化ストレス及び抗酸化力に関する研究
活性酸素・フリーラジカルは生体内で発生し、不健康な生活習慣、何らかの病変などによって過剰に発生してしまい、その状態が長く続くと細胞が傷つき、老化の促進や病気をもたらしています。そのため、過剰な活性酸素・フリーラジカルを消去するために、抗酸化食品・サプリメントを摂り生活習慣を改善することが重要だといわれています。そこで、新規の抗酸化食品等の探索を目的としたスクリーニングを計画しています。
論 文
2014
- 小松仁美, 常風興平, 横田淳子, 吉岡三郎, 高田智也, 宮村充彦, エルロチニブ投与患者における薬物血中および組織内濃度に関する一考察 －ざ瘡様皮疹をきたした４症例について－, 診療と新薬, 51, 439-443.
2013
- Saburo Yoshioka, Tanitra Ju-Ngam, Kohei Jobu, Junko Yokota, Masao Ohishi, Hiroyuki Ukeda, Mitsuhiko Miyamura,The protective effects of Goishi tea against influenza infectio, Jpn Pharmacol Ther, 41(7), 705-709
- Junko Yokota, Kohei Jobu, Saburo Yoshioka, Takehiro Kashiwagi, Tomoko Shimamura, Hironori Moriyama, Shuzo Murata, Masao Ohishi, Hiroyuki Ukeda, Mitsuhiko Miyamura,The influence of Goishi tea on adipocytokines in obese mice, Food Chemistry, 138(4), 2210-2218
- Kohei Jobu, Junko Yokota, Saburo Yoshioka, Hironori Moriyama, Shuzo Murata, Masao Ohishi, Hiroyuki Ukeda, Mitsuhiko Miyamura, Effects of Goishi tea on diet-induced obesity in mice, Food Research International, 54, 324-329
- 阿部 譲朗, 常風興平, 横田淳子, 吉岡三郎, 兵頭政光, 宮村充彦, TRPV1 Agonistは唾液中のSP量を上昇させる,薬理と治療, 41（7）,669-675
- 平田 歩, 小野川雅英, 吉岡三郎, 岩村健司, 中平真矢, 高橋朝妃, 土居奈央, 西窪加緒里, 石田健司, 兵頭政光, 宮村充彦,嚥下リハビリテーション施行患者の嚥下機能への影響を考慮した基礎疾患治療薬の選択に関する一考察,日摂食嚥下リハ会誌, 17（1）,60-67
- 小松仁美, 齋藤雅恵, 平田 歩, 長﨑志津, 森田靖代, 吉岡三郎, 宮村充彦, 後発医薬品（酸化マグネシウム細粒製剤）の製剤特性と服用感・利便性の評価、診療と新薬, 50（5）, 37-44
2012
- Kohei Jobu, Changhai Sun, Saburo Yoshioka, Junko Yokota, Masahide Onogawa, Chiaki Kawada, Keiji Inoue, Taro Shuin, Toshiaki Sendo, Mitsuhiko Miyamura, Metabolomics study on the biochemical profiles of odor elements in urine of human with bladder cancer, Biol. Pharm. Bull., 35(4), 639-642
2011
- Junko Yokota, Taisuke Kitaoka, Kohei Jobu, Daisuke Takuma, Atsuhide Hamada, Masahide Onogawa, Saburo Yoshioka, Shojiro Kyotani, Mitsuhiko Miyamura, Eriobotrya japonica seed extract and deep sea water protect against indomethacin-induced gastric mucosal injury in rats. Journal of Natural Medicine, 65. 9-17
- 横田淳子, 常風興平, 吉岡三郎, 森山洋憲, 邑田修三, 大石雅夫, 受田浩之, 宮村充彦, 碁石茶がアディポサイトカインの変動に及ぼす影響,日本食品科学工学会誌, 58(8), 398-402
2010
- Saburo Yoshioka, Atsuhide Hamada, Kohei Jobu, Junko Yokota, Masahide Onogawa, Shojiro Kyotani, Mitsuhiko Miyamura, Toshiji Saibara, Saburo Onishi, Yutaka Nishioka, Effects of Eriobotrya japonica seed extract on oxidative stress in rats with non-alcoholic steatohepatitis, Journal of Pharmacy and Pharmacology, 62, 241-246
- Guangchen Sun, Yingqin Liu, Jinling Zhu, Miki Iguchi, Saburo Yoshioka, Mitsuhiko Miyamura, Shojiro Kyotani, Immunomodulatory effect of Eriobotrya japonica seed extract on allergic dermatitis rats, Journal of Nutritional Science and Vitaminology, 56, 145-149
- Changhai Sun, Yang Teng, Guangzhi Li, Saburo Yoshioka, Junko Yokota, Mitsuhiko Miyamura, Hongzhuang Fang, Yu Zhang, Metabonomics study of the protective effects of Lonicera japonica extract on acute liver injury in dimethylnitrosamine treated rats, Journal of Pharmaceutical and Biomedical Analysis, 53, 98-102
- Yang Teng, Chang Hai Sun, Guangzhi Li, Guangchen Sun, Yui Nomachi, Junko Yokota, Saburo Yoshioka, Jinbo Gang, Shuqing Jiao, Yu Zhang, Mitsuhiko Miyamura, Protective effects of Flos lonicera extract on acute liver injury by dimethylnitrosamine-induced in rats, Journal of Natural Medicines, 64, 288-294
