薬物治療学

薬物治療学研究室

角 大悟 教授

教授:角 大悟(博士 医学)

准教授:藤代 瞳(博士 薬学)

研究室の紹介

当研究室では、生体内に微量に存在する金属が示す生理作用、薬理作用、毒作用の解明をめざしています。生体内には、Zn, Mn, Cuなど数十種類の元素が存在し、微量でも重要な働きをしています。一方、Hg, Pb, As, Cdなどの有害金属は、微量でも有害作用を示します。これらの元素が体内の各組織、細胞にどのようにして取り込まれ、代謝され、作用を発揮するのかについて、まだまだわかっていないことがたくさんあります。我々の研究室では、環境汚染金属であるCdが、必須金属のMn、Znの輸送体を使って細胞に入ることを初めて明らかにしました。一方、現在、ヒ素はアジア各地で地下水汚染問題を引き起こしていますが、ヒ素を含有する医薬品はある種の白血病治療に欠かせないものになっています。このように、「栄養」にも「毒」にも「薬」にもなる金属の不思議について解明し、人類の健康の維持、増進に貢献したいと考えて研究を進めています。

主な研究テーマ

  1. カドミウムやマンガン、亜鉛などの金属の細胞への取り込み、細胞からの排出機構の解明
  2. ヒ素化合物の薬理作用・毒作用の解明、ヒ素に対する生体防御機構の解明、および医療への応用
  3. カドミウム、マンガン、ヒ素などが免疫機能に及ぼす影響の解明
  4. バングラデシュのヒ素汚染地域住民の健康影響を検出する鋭敏な指標の開発(国際共同研究)